本日のアノラックOnlineStoreは、
こちらから。
2017年のコピーライトが入る、
アリシア・キーズのTシャツです。
毎度言っていますが、
このタイプのライセンス表記は、
オフィシャルかどうか判断が難しい所です。
フォトデザインの、
シルクススクリーンプリントです。
モノクロだから白1版か、と思うなかれ、
こちらは非常に繊細で、
かつ難しい版分けでプリントされています。
フォト部分は、
・ボディカラーの黒
・90%程度のダークグレー
・50~60%程度のグレー
・20%程度のグレー(=80%の白)
・100%の白
という構成だと思います。
ただし、50~60%のグレーは、
白ベースが入っているかもしれません。
(通称アンダーコントロール)
となると、
90%のグレー版を使い、
白ベースの有無で表現出来るので、
50~60%の版は必要ありません。
その場合構成は、
・80%の白(20%グレー)
・ダークグレー
・ハイライト=100%ホワイト
に変わります。
さらに、文字部分は上下で色が違うので、
+2版。
合計5版だと思います。
モノクロフォトの場合、
最初に白を敷くか、
グレーから始めるかで
版分けの構成が変わります。
どちらを選択するかは、
版分け師の経験値(クセ)や
直感が必要だと思います。
●21’s コムデギャルソン・ブラック スラックス 表記(L)
2021年、コムデギャルソン・ブラックの
スラックスです。
ブラックウォッチ柄。
ノータックのプレーンなデザインです。
●90’s クーパー M-65型ジャケット ゴートレザー 表記(M)
1990年代と思われる、
クーパーのレザージャケットです。
パキスタン製。
表地はゴートレザーです。
独特の細かいシボが特徴です。
程よい張りと柔らかさが同居しています。
M-65をベースにしたレザージャケットは、
様々なブランドから出ていますが、
これだ、というものに中々出会えません。
シルエットの硬さや、
ディテールの複雑さが災いし、
ただ革素材に変換しただけでは、
ハードになりすぎてしまうというきらいがあります。
何かを捨てて、
何かを付けたす。
そのバランスがレザー版M-65には必須だと思います。
クーパー製のこちらは、
M-65らしいディテールである、
襟ジッパーを大胆にも削除。
(収納フードもなし)
この選択により、
襟周辺のゴツさがだいぶ軽減されています。
逆にポケットは、
サイドから手を入れられる、
スラッシュポケットを追加。
袖先は手甲(三角)をやめ、
シンプルに。
柔らかいゴートレザーが、
シルエットの角ばりを抑え、
ビッグサイズの垂れる感を演出してくれます。
欲を言えばエポレットもカットしてほしかった、。
と、思いましたが、
エポレットってミリタリーデザインにおいて、
最も重要な要素なのかもしれませんね。
●03’s コムデギャルソン・オム ウールジャケット 表記(S)
コムデギャルソン・オムの
ウールジャケットです。
AD2003年
HL-J027
H=オム
L=AW(秋冬)
J=ジャケット
027=型番
2003年秋冬シーズン、
最後の田中オムです。
襟の形を見ただけで、
田中オムだと分かりますね。
そしてこの襟が2003年の時点では、
「過去」になっていた事もうなづけます。
田中オム時代のカッコイイ野暮ったさは、
2000年代のギャルソンには必要なかった、
これがギャルソンが出した答えだったのかもしれません。
それは別に悪い事ではないでしょう。
どんな事にもピークはあります。
むしろ田中オム時代に、
そのピークが何度も訪れた事の方が奇跡です。
極端にシンプルながら、
田中オムここにありという強烈なメッセージを感じます。
背中のプリーツとか、
襟裏のステッチとか
ウールなのに裏地がないとか。
正直な話、
ギャルソン・オムラインは、
ここで終了しても良かったのかなぁ、なんて。。
でもそれは、
美しいまま終わって欲しいという、
ファンならではの、
センチメンタルなわがままかもしれませんね。
よろしくお願いいたします。