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理由は、
やっぱり必要だ。
出来ればカッコイイ理由を付けたい。
なぜ 手織りで生地を作ろうと思ったのか。
なぜ はたおり機を買ったのか。
色々それらしい理由を考えてはみたけれど、
なんだかどれも嘘くさい。
だから本当の事を言おう。
理由なんてない。
いや、ある。
面白そうでしょ?
手織りって。
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というわけで、
はたおり機を買ったのが昨年の初秋。
そこからまさか半年もかかるとは思いませんでした。
はっきり言って、
はた織り自体はとてもシンプルです。
届いたその日に、
あっけなく糸が布に変わりました。
なんだ楽勝じゃん。
と調子に乗った刹那、
とんでもない事に気が付きました。
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そうです。
出来た布は、
どこにでも売っているような、
ただの布でした。
あ、だったら作る必要ないですね。
(心の声(オッサン)がそう揶揄します)
+
どこにでもある経糸(たていと)、
どこにでもある緯糸(よこいと)
それらが織りなしたのは、
どこにでもあるただの布でした。
上手いも下手もない。
良いも悪いもない。
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それから、
糸を探し、
織り方を研究する
やや長めのツアーがスタートしたのです。
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ようやく見つけた糸は、
アメリカ産のコットン100%。
アメリカ産というだけで、
心が躍ります。
こちらは経糸(たていと)。
これを整経(せいけい)し、
綜絖(そうこう)にセットします。
と、説明は僅か2行ですが、
この作業が一番大変かもしれません。
老眼と手の震えが、
さらに作業を遅らせます。
緯糸(よこいと)は、
経糸よりも太い糸を選びました。
こちらもアメリカ産コットンです。
シャトルに巻き、準備完了。
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織り方は、
フィンランドの手織りラグを参考にしました。
糸の太さや、素材、
織る強さなどで別物になってしまいます。
何度も失敗し、
その度また経糸の整経からやり直しです。
これは目が詰まりすぎた失敗例です。
そして完成したのが、
こちらです。
不均一で凸凹感がある素朴な風合い。
これが織れるようになるまでに、
半年かかりました。
hanmockを1つ作るのに、
経糸500メートル、
緯糸600メートルほど使います。
約1キロメートルの糸を、
ひたすら交差させます。
タテの糸はあなた、
だったらヨコの糸は僕か?
なんて歌いながら。
織りなす布は、
もうすぐバッグになります。
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生地の主張に負けないように、
ジッパーのサイズを変えました。
8号→10号へ。
エレメントも10号に。
スライダーは、
マットブラックと、光沢ありの2種類を用意。
10号ロングプルスライダーは特注のため、
YKKからは”バラ”の状態で届きます。
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サイズアップしたジッパーに合わせるため、
パラコードは11コア(芯)を選択。
左は標準的な7コア(7芯)タイプ。
右が11コアです。
先端の処理は
バーナーと金属のヘラを使用します。
先端をしっかり溶かし、
固まる前にヘラを押し当てます。
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ジッパーの完成です。
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ベルトのパーツは
プラスチックバックルから、
ブラスリングに変更しました。
継ぎ目のない鋳物製(鋳造)、
メッキ塗装を施さないソリッドブラスです。
コツをつかめば、
サイドリリースバックルと同じ位スムーズに
長さ調節が可能です。
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こうなったらしょうがない。
織りネームも作りました。
平織りの組織図を、
山に見立てたデザインです。
ベースは高密度織り。
ロゴ部分は【倍越し】と呼ばれる、
糸を2回重ねる織り方です。
倍越しする事で立体感が産まれます。
裏面はフルバック。
裏ドメなし。
これで厚みが出ます。
アメリカのタグは大体この仕様です。
実は生地より先に
織りネームが出来ちゃって。。
もし生地が完成しなかったら、
このタグ全部ボツになる所でした。。
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最後に型紙を修正し、
hanmockを作る準備が整いました。
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●Luckzak* hammock hand woven
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2022年3/21(月曜)、
お昼の12時~から販売致します。
まずは2個。
価格は12000円(+Tax)+送料です。
その後の販売方法ですが、
現在僕のスピードでは、
1個作るのに5日位かかります。
なので毎月10日、20日、30日に
2個ずつ掲載しようと思っています。
大変申し訳ございませんが、
ご購入はお一人様1個までとさせて下さい。
2個目が欲しい方は、
1000字ほどのレポート提出をお願いいたします。
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というわけで、
よろしくお願いいたします。