このブログを真剣に読んでくれている人はきっと、
世界に数人しかいないと思うので、
その人たちに向けて、
本当の事を書こう。
だから今回のブログに関しては、
スクショや文章のコピー、
24時間で消えるとしても、
転載はご遠慮願いたい。
都市伝説的な言い回しで、
”~と言ってる人がいた”
という豆知識のお披露目も同様に。
ここだけの秘密だ。
むろん今の時代にそれが通るとは思っていない。
が、しかし、僕はそれを望んでいる。
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● 貞本義行 ●
ギークスルールを始める前から、
ずっとやりたいと思っていた貞本エヴァ。
でもそこには幾重にも高いハードルがありました。
貞本さんが描いたエヴァのマーチが少ない理由は、
・ライセンス元が複雑な事、
・色の監修が果てしなく厳しい事、
この2点に尽きると思います。
実は昨年、ギークスルールの第3段で
貞本エヴァの企画が上がっていまして、
データが完成し、監修も通り、
いざプリントへという段階で、
ライセンス元が違うと言う事が判明し、
あえなくボツになりました。
テレビ版、漫画、映画、CD、DVD、
その版権は複雑に入り組んでいるようです。
その後半年くらいかかりましたが、
ライセンスをクリアできる作品が見つかりました。
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●NEON GENESIS EVANGELION × GEEKS RULE
__15 SILKSCREEN PRINTING T SHIRT VOL.03
いやぁ、
やっぱり貞本さんが描くエヴァは最高ですね。
15色分解、スポットカラーセパレーション、
シルクスクリーンプリントです。
15色分解とはつまり、
15版必要だと言う事です。
それぞれの色(版)は、他の色と相互に関係しており、
例えば紫だけをもっと濃くして、という場合でも、
その他の版も調整しないといけません。
そんな事情を知ってか知らずか、。
ファーストサンプルが上がった第一声、
監修の返答は
『色が違う』
でした。。
ここから色監修との長い戦いが始まります。
ちなみにこれ↓がそのファーストサンプルです。
まぁ、ってか、。
普通だったらこれで十分OKだと思うんですが、。
スタジオカラーには貞本さんの専属担当がいて、
「これは貞本の色じゃない」と。。
確かに完成版と比べると全然違います。
今になって思えば、
監修の方の感覚の鋭さに頭が下がるばかりです。
左がファースト、右が完成版です。
ただここで知っておいてもらいたいのは、
先ほど言ったように、
これは赤のインクの色を変えただけではないんです。
赤を鮮やかに出すためには
ホワイトアンダーを調整する必要があり、
さらに赤に関連するすべての版を作り直す必要があります。
簡単に言うと15版作り直した、
と言う事です。
で、作り直したところ、
また別の箇所の色が違う、と。。
「はじめから全部言ってくれよ!!」
これは一樹君の心の声です。
次はシンジ君のプラグスーツの色が違うと、。
はい、また15版やり直し。
ま、結局、直してよかったんですけどね。。
同時に肌の色の出し方も修正。
さすがにこれでOKでしょ!
と思ったら、
最後の最後で、
ゲンドウの手袋の色が鮮やか過ぎる、
初号機のコアの色が暗い、
という更なるダメ出しが、。
セカンドサンプル作る前に言って下さいよ、。
これは工場の方たちの心の声です。
(だと思います)
当然、15版作り直しです。
これ、終わりはあるのか?
と半ば諦めモードが漂います。
でも修正しました。
結局やっぱり
悔しいけれど修正した方が良いんですよね、。
というわけで、結果3回やり直し。
お金の話は避けますが、
普通だったら大赤字だと思います。
ただ諦めずに挑戦しただけあって、
今回の貞本エヴァは本当に最高です。
転写や昇華では絶対にこの雰囲気にはなりません。
インクジェットでも無理だと思います。
そして同じシルクの技術があったとしても、
これと同じ色を作れるかどうかは、
職人の腕にかかっています。
アスカのプラグスーツの光沢感とかヤバ過ぎです。
本生産が完了したのは先週。
本当にギリギリでした。。
オフィシャルの貞本エヴァ。
大変だったけど、これを作れて幸せです。
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● 今敏 ●
続いてパーフェクトブルーです。
こちらはなんと監修が今京子さんでした。
緊張しました。
●PERFECT BLUE × GEEKS RULE
__12 SILKSCREEN PRINTING T SHIRT
12色分解、シルクスクリーンプリントです。
スポットカラーセパレーションや
シミュレートプロセス分解においては、
一番下にプリントする【白(あるいはグレー)】の版で
ある程度の完成度が決定します。
俗にいう、
ホワイトアンダーコントロールです。
ホワイトアンダーがない部分に色を乗せると、
ボディの黒を透過して色が暗くなってしまいます。
ただ今回は逆にそれを利用し、
背景の暗闇に沈む感じを表現しています。
この透過具合を、
シルク用に分版するのはかなり大変です。
Photoshopのプラグインを使っただけでは、
こうはなりません。
同じような色のトーンなのになぜ12版も必要なのか。
それはこの唇の色、肌の色、影、を見れば、
一目瞭然ですね。
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●PERFECT BLUE × GEEKS RULE
__14 SILKSCREEN PRINTING T SHIRT
もう一型、パーフェクトブルーです。
こちらは14色分解。
髪の毛の部分、
ベタ塗りでも良いとは思いますが、
それではノッペリとしてしまい、
転写プリントのように見えてしまいます。
そこであえてドット分解にしました。
やはり今京子さんもこの部分が気になったようで、
監修の際、「なぜドットなんですか?」
という質問を頂きました。
これにはちょっとビックリ、
というか、
ちゃんと見てくれているんだなと思いました。
意図を説明しご理解頂けました。
黒のアウトラインに注目です。
インクジェットプリントではこういう細い線は
どうしても滲んでしまいます。
ペンで描いたようにカリっと黒の線が出せるのが
シルクスクリーンの魅力でもあります。
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そろそろ文字を読むのに疲れてきたと思いますが、
もう少しお付き合いのほどを。
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● 大友克洋 ●
とうとう、大友さんです。
が、しかし最後の牙城は
難攻不落と呼ぶにふさわしいほどに、
険しい道のりでした。
●MEMORIES × GEEKS RULE 6
__SILKSCREEN PRINTING T SHIRT
大友さんのマーチャンダイズはOKが出ない
というのが定説です。
”話はしてみるけど、期待しないでくださいね”
と言われます。
確かに何度トライしても
その牙城を崩すことは出来ませんでした。
ところが、
”居酒屋”で大友さんに
直談判してくれた出版社の方がいまして、
奇跡的にOKをもらえました。
ただ条件は、
【昔と同じものは作らないでね】
でした。
かぁ~~~~~~、
それは、ギークスルールのルールにないんですが、。
と思ったんですが、
そんな事を言ってる場合ではありません。
赤1色に見えますが、
これに6版使っています。
無駄と思われるかもしれません。
でもこの赤の濃淡を表現するのは、
異常に難しいのです。
コピーライトの大きさは、
「可能な限り小さくしてくれ」
というオファーでした。
これを足掛かりに、
AKIRAや童夢を作れたら最高なんですが、
大友さんのデザインに対する考えを伺うと、
いわゆるあの古着界で人気があるようなデザインは、
作れないのかな、と思っています。
作者の意向に反して作っても、
意味がないですからね。
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この三部作を、
パルコで連日販売するという企画を考え、
版元が違う作品にそれぞれ細かい確認や調整をし、
それを実現させた一樹君、
本当にお疲れ様でした。
そして平野さんも、マジで大変でしたねw
だいぶ大きな仕事をしたので、
個人的にはもう満足してるんですが、
実はまだ、今年は続きがあります。
それはまたその時に。
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販売概要は複雑なので、
今回は省略させていただきます。
詳細はパルコ特設サイトや、
ギークスルールのXなどでご確認ください。
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【PARCO】
https://art.parco.jp/museumtokyo/detail/?id=1462
【GEEKS RULE】
https://twitter.com/RuleGeeks0805
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よろしくお願いいたします。