2022/7/7 スターウォーズ アミダラ

 

【スター・ウォーズ エピソード1/ ファントム・メナス】が
日本で公開されたのは1999年の7月10日だそうです。

あの夏、
クイーン・アミダラのボトルキャップが欲しくて、
どれだけペプシを飲んだことか。

ドロイドと通商連合がダブりまくって、
結局僕の恋が叶う事はありませんでした。

*

『たいちゃん、今回は断れないぜ』

一樹君が言いました。

いや、待て待て、僕はそんなにいつも断ってないよww
なんて言いながら、

で、次は何なの? と、一応尋ねてみました。

『アミダラさんよ』

*

様々な規約は作品を守るためにあります。
それらはきっと権利を持つ企業のためではなく、
その作品が好きなファンのためにあると思います。

だから好き勝手やって良いわけではありません。
オフィシャルで作ると言う事はそういう事です。

じゃあ自由がないかと言われれば、
そんな事はありません。

意図が明確なら、ちゃんと理解してもらえます。

高画質なオリジナルデータが送られてきた時、
胸がドキドキしました。

と同時にこの繊細さを保ちつつ、
シルクスクリーン用の版分けが僕に出来るのか、
とても不安になりました。

*

『特色分解のシルクスクリーンプリントだから』

そんな理由でTシャツを選ぶ人は、
3年前にはほとんどいませんでした。

Tシャツを楽しむ幅を広げる事が出来たなら、
意味のあることだったなと思います。

でも単純な【数】の競争に
陥らないようにしなければいけません。

版数が多いから、
版のサイズが大きいから、
手刷りの一点ものだから、

分かりやすいステレオタイプな価値基準は、
それ自体が独り歩きし判断を曇らせます。

20版使おうが、
40版使おうが、
1版に勝てない事があります。

総柄よりも、
ワンポイントの方が派手な事もあります。

手刷りとは=”技術の未熟さを許容する”
という意味ではありません。

今回は16版必要だっただけです。
むしろ出来るだけ版数を減らすように工夫しました。

無限に版数を増やしたところで、
良い物が作れるわけではないのです。

*

さて、言いたい事は全て書きました。

当初説明などせず、

”クールなTシャツが出来たから、見て下さい”

それだけ書こうと思ったんですが、
数年後この文章を読み返してニヤニヤしたいなと思い、
(今の気持ちを保存しておきたくて)
結局長々書いてしまいました。

*

*

本当は、ウソだと思っていたんです。

スターウォーズと仕事が出来るわけないじゃん、と。

幻はとっとと、消えてなくなれ、
夢ならこのまま、ずっと覚めるな

23年前、ボトルキャップの恋に破れた僕が、
まさか、今、アミダラさんのTシャツを作れるとは。

叶わない恋もある、諦めてしまえ
叶わない夢はない、諦めるな

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