【スター・ウォーズ エピソード1/ ファントム・メナス】が
日本で公開されたのは1999年の7月10日だそうです。
あの夏、
クイーン・アミダラのボトルキャップが欲しくて、
どれだけペプシを飲んだことか。
ドロイドと通商連合がダブりまくって、
結局僕の恋が叶う事はありませんでした。
*
『たいちゃん、今回は断れないぜ』
一樹君が言いました。
いや、待て待て、僕はそんなにいつも断ってないよww
なんて言いながら、
で、次は何なの? と、一応尋ねてみました。
『アミダラさんよ』
*
様々な規約は作品を守るためにあります。
それらはきっと権利を持つ企業のためではなく、
その作品が好きなファンのためにあると思います。
だから好き勝手やって良いわけではありません。
オフィシャルで作ると言う事はそういう事です。
じゃあ自由がないかと言われれば、
そんな事はありません。
意図が明確なら、ちゃんと理解してもらえます。
高画質なオリジナルデータが送られてきた時、
胸がドキドキしました。
と同時にこの繊細さを保ちつつ、
シルクスクリーン用の版分けが僕に出来るのか、
とても不安になりました。
*
『特色分解のシルクスクリーンプリントだから』
そんな理由でTシャツを選ぶ人は、
3年前にはほとんどいませんでした。
Tシャツを楽しむ幅を広げる事が出来たなら、
意味のあることだったなと思います。
でも単純な【数】の競争に
陥らないようにしなければいけません。
版数が多いから、
版のサイズが大きいから、
手刷りの一点ものだから、
分かりやすいステレオタイプな価値基準は、
それ自体が独り歩きし判断を曇らせます。
20版使おうが、
40版使おうが、
1版に勝てない事があります。
総柄よりも、
ワンポイントの方が派手な事もあります。
手刷りとは=”技術の未熟さを許容する”
という意味ではありません。
今回は16版必要だっただけです。
むしろ出来るだけ版数を減らすように工夫しました。
無限に版数を増やしたところで、
良い物が作れるわけではないのです。
*
さて、言いたい事は全て書きました。
当初説明などせず、
”クールなTシャツが出来たから、見て下さい”
それだけ書こうと思ったんですが、
数年後この文章を読み返してニヤニヤしたいなと思い、
(今の気持ちを保存しておきたくて)
結局長々書いてしまいました。
*
*
本当は、ウソだと思っていたんです。
スターウォーズと仕事が出来るわけないじゃん、と。
幻はとっとと、消えてなくなれ、
夢ならこのまま、ずっと覚めるな
23年前、ボトルキャップの恋に破れた僕が、
まさか、今、アミダラさんのTシャツを作れるとは。
叶わない恋もある、諦めてしまえ
叶わない夢はない、諦めるな
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