日別アーカイブ: 2019/07/09

2019/7/9 ”Tシャツを作る”

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7/8の続きから~

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Tシャツを作ろう、
と、思い立ったが吉日、
すぐにプリント工場にスケジュールを確認し、
”作ります!”と、宣言をしたものの、
そこでハタと我に返りました。

特色分解を試したい、という気持ちが先に走り、
デザインについては考えていなかったのです。。

例えるならば、
作詞・作曲もしていないのに、
レコーディングスタジオを
借りてしまったようなものでしょうか。

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1、デザインを考える

特色分解を利用するからには、
モチーフは【写真】が適当です。

ただ著作権や肖像権は
完全にクリアにしておきたいところです。
有名人の写真やフォトグラファーの作品を
無断で使用するような、
リスクの高い事は出来ません。

クリエイティブ・コモンズや Pexelsのように、
ライセンスフリー、商用利用可能、変更(加工)も自由で、
大量の写真から”選べる”、
便利なサイトを利用する事も出来ますし、
Getty Imagesやストックフォトから
写真を”買う”事も出来ますが、
それはどうも違うような気がしました。

これまた音楽に例えるなら、
フリー素材の音源を使いミックスするだけ、
実際には演奏もライブもしない、という感じです。

そういうデザインならば、
むしろインクジェット向きでしょう。

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映画”インクレディブル・ファミリー”に登場する、
悪役のセリフが頭をよぎります。

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偏執的な悪役特有の言い回しですが、
その扇動性に感化され、
それならばやっぱり、写真を撮る所から始めよう!
と、ソファ、ではなく座椅子から立ち上がりました。

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とは言え、
すべての工程を1人で作れるわけではありません。
むしろ色々な人に協力を仰ぐ必要があります。

そこでまず白羽の矢を立てたのが、
タウンで活躍する、畠中一樹君です。

一樹君にフォトグラファーとモデルを
手配してもらいました。

●フォトグラファーは
kazunori ohkiさん。
https://kazunoriohki.tumblr.com/

●モデルは
神保町で働く女性。

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せっかくなので、
このパートも音楽に例えると、

作詞:松本隆 もとい畠中一樹君

作曲(アレンジ):僕

バンド(演奏):kazunori ohkiさん

歌唱:OLさん

録音:製版屋さん

ミックスダウン:プリント屋さん

こういうクレジットになると思います。

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準備は整いました。
次は、

2、データを作る

届いた写真をフォトショップで加工します。

個々の作業を説明すると、
2日くらいかかりそうなので、
レイヤーをご覧下さい。

 

ロゴ部分は手で書いたものをスキャンし、
イラストレーターでアウトラインを取っておきます。

ロゴと写真をミックスして、
デザインが完成しました。

今回のテーマは、
黒ボディにシルクスクリーンプリントで、
”天然色”を再現する事、です。

そして、このTシャツのタイトルを、

【彼女は天然色】

に決めました。

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ここまで種明かしをすれば、
なぜフルカラー(天然色)=特色分解にこだわったのか、
そしてなぜしつこく音楽の例え話で説明したか、
お気づきの方もいらっしゃるでしょう。

このTシャツは僕なりに考えた、
ロングバケーション=ゴールデンウィークへの、
アンサーソングだったのです。

(ま、大瀧詠一さんを知らないと、
なんのこっちゃ、というダジャレなんですが。。)

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さて、出来上がったデザインを元に、
次はレイヤーではなく、チャンネルを使い、
特色分解をしていきます。

色域指定選択をベースにし、
強調したい色を抽出したり、
マスクをかけたりしながら、
色味を細かく調整します。

では、順番に色を重ねてみましょう。

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(i)白

(ii)肌色

(iii)赤

(ix)黄色

(v)ライトブルー

(vi)ブルー

(vii)黒

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これで製版用の分版作業が終わりました。

作曲(+アレンジ)担当の僕の仕事はここまでです。

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と、思ったのですが、。
またしてもスクリーンスレイヴァーの言葉が、
頭をよぎります。

”旅、人間関係、
リスクを取らずあらゆる大事な経験は
離れた場所からスクリーン越しに眺めるだけだ。

つらいことから逃げ
自分からは動かない。

ただ欲しがり
消費するだけで
ソファから立ち上がることはしない。”

ってことは、
このまま丸投げするわけにはいかないっしょ!

と奮起し、
プリント工場がある仙台まで、
”お出かけ”する事を決めました。

ゴールデンウィークに、
”お出かけをしないで済むため”に始めた、
特色分解の勉強は、
ここへきて本末転倒の流れに突入します。

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さてこれより物語は急速に激情の楽音を伴って、
最終章へと進みます。

仙台編は、
また明日。

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